パソコンは消耗品【消耗品PC】

10万円未満で最適なPCを選ぶ(図解編)

予算上限: 99,999円

まえがき

このコンテンツは、初めてご自宅用のパソコン(パーソナルコンピュータ|以下、PC)を購入しようとする方、社内PCの選定中の調達担当者・経営者向けに、DXITOAI(ディジットアイ|以下、筆者)が、PCユーザーとして30年以上の経験を踏まえ、独断と偏見で書いたものです。

消耗品PCとは?

タイトルの「パソコンは消耗品」にもある通り、購入価格の上限を消耗品として経費処理可能な10万円未満としています。消費税の申告状況により経費処理の対象が異なりますが、ここでの金額の上限は税込10万円未満(99,999円)に統一し、通称「消耗品PC」と名付けます。

第1章: 初めての消耗品PC選び

これまでのPCは数年間使用することが当たり前とされていましたが、PCの耐用年数は4年とされ、CPUの進化も激しいため、4年間も維持すべき資産価値があるか疑問視されています。

1-1. ノートPCの利便性

初めてパソコンを使おうとする人には「Windowsノートパソコン」一択を強く推奨!

メリット
  • 持ち運びが容易: どこでも使用でき、出先での作業にも適しています
  • オールインワン設計: キーボード、トラックパッド、ディスプレイが一体化
  • バッテリー駆動: 電源がなくても内蔵バッテリーで一定時間使用可能
  • 豊富な選択肢: 低価格機からゲームPCまで、予算内で幅広い選択肢
注意点

電車内や店内でPCを使っている人のほとんどがノートPCであることからも、その利便性は理解できるでしょう。なお、新品のMacBookは消耗品PCの予算(10万円未満)をオーバーします。

スマホ・タブレット端末について

ここではスマートフォン(スマホ)やタブレット端末は対象外とします。PCとスマホ・タブレットの境界線は曖昧になっていますが、ここではキーボード操作が必要なPCをターゲットにしています。メールやSNS、WEBサイトや動画視聴が主な目的なら、スマホ・タブレットで十分です。

1-2. 初心者向けのおすすめスペック

価格.comのノートパソコンスペック検索などを利用し、以下のスペックを基準に探すのが良いでしょう。

メモリ
16GB以上
ストレージ
500GB以上
CPUスコア
20,000以上

1-3. メモリ16GBの必要性

PCのメモリは、一度に処理できる情報の量を決定します。16GBのメモリを搭載したPCは、複数のアプリケーションを同時に開いてもスムーズに動作し、ビデオ編集や複雑なデータ処理などの高負荷な作業にも対応できます。2024年11月に発表されたApple社のMac新シリーズがメモリ16GB~になったことから、これからのPCの最低限のスペックは16GBであると言っても過言ではありません。

1-4. ストレージ500GB以上の利点

ストレージはデータを保存する場所です。500GB以上のSSD(ソリッドステートドライブ)は、従来のHDDに比べてデータの読み書き速度が非常に速く、システムの起動時間やファイルアクセス時間を短縮します。SSDには使用回数の上限がありますが、日常的な使用では問題ありません。

1-5. CPUスコア(PassMark)20,000以上とは?

15,000以上のCPU

  • ウェブブラウジング、オフィスソフト、動画視聴に十分
  • 軽めのゲームや基本的なマルチタスクに対応
  • 日常的なオフィス作業、軽いプログラミング

20,000以上のCPU

  • ビデオ編集、3Dモデリング、大規模データ解析
  • 最新の高グラフィックゲームに対応
  • プロフェッショナルな用途に最適

2025年実際の検索結果

2025年9月上旬時点での価格.com検索結果では、以下の条件で検索すると多数の「消耗品PC」が見つかりました:

スコア15,000以上の検索結果
64件
  • 6万円代: 3台
  • 7万円代: 15台
  • 8万円代: 18台
  • 9万円代: 28台
スコア20,000以上の検索結果
22件

より高性能なモデルが選択可能

1-6. ゲーム機PCの特徴

上記の検索結果には、ゲーム機のような形状のPCが含まれていました。これらは「7インチ画面」「左右に操作キーを持つ」「ゲーム機PC」という特徴があります。

ゲーム機PCの独自の特徴

  • 高いグラフィック性能: ゲームや映像編集など、グラフィック処理が必要な作業に最適
  • 冷却性能: 高負荷な作業に対応できるよう、冷却性能が高い
  • エンターテインメント用途: ゲームだけでなく、ストリーミングなどにも優れている
  • コストパフォーマンス: 高性能でありながら比較的低価格で購入可能

NPU搭載CPUとは

2024年に普及した最新のCPUで、AI(人工知能)の計算に特化したプロセッサです。1秒間に数億~数十億単位の計算処理能力を有しています。現状ではNPUをフル稼働させるアプリは少ないですが、搭載PCは増えており、今後必須アイテムに変わる可能性があります。

第2章: 初めてPCを使うには

事前準備

PCを使うためには自宅でインターネット(Wi-Fi)に繋がっていることが事前準備として必要です。

2-1. Windows 11 初期設定ガイド

1 電源を入れる

電源ボタンを押して起動。初回起動時にはWindows 11のロゴが表示され、セットアップ画面へ進みます。

2 言語、地域、キーボードレイアウトの選択

言語(日本語)、地域(日本)、キーボードレイアウト(JISキーボード)を選択し、「次へ」をクリックします。

3 インターネット(Wi-Fi)への接続

自宅のWi-Fiネットワークを選び、パスワードを入力して「接続」します。

4 Microsoftアカウントでサインイン

既にアカウントがある場合は入力してサインイン。ない場合は「アカウントを作成」を選択し、手順に従って作成します。

5 PINの設定

サインイン簡略化のため、4桁以上の数字でPINを設定します。

2-2. 必要なアプリのインストール

セキュリティ設定

  • Windows Updateの確認と実行
  • ウイルス対策ソフトの設定確認
  • ファイアウォールの設定

基本アプリ

  • ブラウザ(Edge、Chrome等)
  • オフィスソフト
  • メールクライアント
  • Microsoft Store アプリ

ChromeOS PCについて

低価格PCとして代表的なChromeOS PC(クロームPC)は、初心者や一般的な企業での使用にはお勧めしません。その理由は、低価格帯のクロームPCは基本スペックが低いこと、周辺機器(プリンタ等)への対応が難しい点にあります。

第3章: PCの購入と経費処理

3-1. 消耗品PCの経費処理

メリット

  • 経費処理の簡便化: 購入年度に全額を経費として計上可能
  • キャッシュフローの改善: 法人税の負担を軽減
  • 管理負担の軽減: 減価償却計算や資産管理が不要

運用上の利点

  • 迅速な交換対応: 故障時の新品への交換が容易
  • 最新技術の活用: 定期的な買い替えで常に最新技術を導入
  • 処分の容易さ: 廃棄時の手続きが簡単

3-2. 企業導入時の推奨スペック

一般社員向け

  • メモリ 16GB以上
  • ストレージ 256GB以上SSD
  • クラウド仕様が前提でスタンドアロンPC内にデータを保管させないケースが多いため、最低限のストレージでも可能

専門部署向け

  • メモリ 32GB以上
  • ストレージ 500GB以上SSD
  • 業務の性質上、高性能なPCを必要とする場合は資産計上しても必要なスペックのPCを購入

消耗品PCでAIは使えるの?

現在話題のAI(人工知能)は、消耗品PCでもバリバリに使えます。現在のAIはWebやアプリ上で展開されており、実際の処理はインターネット上のサーバーという処理能力の高いコンピュータが行っています。

注:AIには便利なサービスが多いですが、不正確な回答の可能性も報告されています。回答を鵜呑みにせず、事実確認を行い注意して使用しましょう。

第4章: 消耗品PCを配布する

4-1. 柔軟な配布体制

社内PCの半分以上を消耗品費計上PCとすることで、正社員以外の契約社員、派遣社員、外部委託協力者にもPCを配布しやすくなります。

迅速な対応

必要なリソースを素早く提供

効率的な管理

更新サイクルも柔軟に対応

統一された環境

システム管理の効率化

4-2. デスクトップPCとの比較

デスクトップPCのメリット

  • ミニ~大型までバリエーションが豊富
  • ノートPCと同スペックで安価な機種がある
  • 故障時は故障したパーツだけを交換可能
  • 大画面ディスプレイで作業効率が向上

デスクトップPCのデメリット

  • 移動が困難で、デスクに固定される
  • 機器間の相性の影響を受けることがある
  • 周辺機器が別途必要

第5章: 周辺環境で差がつくPCの能力

5-1. ネットワーク環境の整備

ルーターの選定

  • Wi-Fi 6/6E対応: 最新規格で高速・安定接続
  • メッシュWi-Fiシステム: 広範囲をカバー
  • QoS設定: 帯域幅の管理と優先順位設定

有線接続の利点

  • 安定性と速度: Wi-Fiより安定した高速接続
  • 簡単セットアップ: LANケーブル接続だけ
  • ゲーム・会議最適: 遅延が少なく安定

5-2. 音響環境の改善

個人用音響機器

  • 高品質なヘッドセット
  • Bluetoothイヤホンマイク
  • ノイズキャンセリング機能付き

会議室用音響機器

  • 高音質な外付けスピーカー
  • 集合会議用マイクシステム
  • エコーキャンセリング機能

5-3. 作業環境の整理

快適な作業環境のポイント

エルゴノミクス

デスクとチェアの選び方

照明の確保

自然光に近い光源

冷却環境

冷却パッドの使用

冷却環境の重要性

ノートPCの性能を最大限に発揮するためには、適切な冷却環境が必要です。冷却パッドの使用や空気の流れの確保により、過熱による性能低下を防ぐことができます。

第6章: 使用後の廃棄について

データセキュリティの重要性

PCの廃棄時には、PC内にデータを残さないように初期化するだけでなく、専門業者への対応を依頼しましょう。消耗品PCの廃棄は比較的容易ですが、適切なデータ消去は必須です。

6-1. 適切な廃棄方法

1 データの完全消去

専用ソフトウェアや専門業者によるデータ完全消去を実施

2 リサイクルプログラムの利用

メーカーや自治体のリサイクルプログラムを活用した環境に配慮した廃棄

3 廃棄証明書の取得

企業での廃棄時は適切な廃棄証明書を取得し、管理記録として保管

6-2. 環境保護と情報セキュリティの両立

適切な廃棄方法を知ることで、環境保護と情報セキュリティを両立させることができます。消耗品PCの短いサイクルでの買い替えも、適切な廃棄処理により持続可能な運用が実現できます。

あとがき

まとめ

PCの購入から廃棄まで、消耗品PCを賢く活用することで、周辺環境に配慮しながらも予算を有効に使い、快適なPC使用環境を整えることができます。

コストパフォーマンスに優れた消耗品PCを選ぶことで、周辺機器や環境整備に予算を充て、全体的なパフォーマンスを向上させることが可能になります。皆様のPC選びの参考になれば幸いです

経済性

10万円未満で高性能PC

効率性

迅速な導入と運用

持続性

継続的な技術革新

※この内容は、2025年9月の掲載時点の情報に基づいています。
※登場する、商標・登録商標は、所有する各社に帰属します。